2009 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスセレンを用いた低価格・長寿命太陽電池の試作
Project/Area Number |
21560053
|
Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
岡野 健 International Christian University, 教養学部, 教授 (20233356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 唯義 国際基督教大学, 理学研究科, 研究員 (60532380)
|
Keywords | エネルギー全般 / 太陽電池 / 電子・電気材料 / 半導体物性 / アモルファス |
Research Abstract |
アモルファスセレンの太陽電池への応用を考えた場合,現在多く使われているシリコン系の太陽電池に比べ,安価にデバイス作製が可能となる.さらに,シリコン系の物質の禁止帯幅がおおよそ1.1eV程度であるのに対して,アモルファスセレンでは約2.2eV程度と広いことが挙げられる.これは,これまではカットすることだけを目指していた紫外線を積極的に利用し,可視光透過型の紫外線発電素子の開発が可能であることを意味する。 本研究では,アモルファスセレンの代表的な成膜方法として知られている蒸着法により,アモルファスセレン薄膜の成膜を行っている.この方法により得られるアモルファスセレン薄膜の物理的諸性質を解明し,この薄膜を太陽電池に応用するにあたり,利点だけではなくどのような問題点があるかを明らかにしたい. 太陽電池の構造を実現するための重要なポイントは,アモルファスセレンのpn制御である.通常半導体をpn制御するには不純物を混ぜるのが一般的であるが,アモルファス特有の構造敏感性の低さの為,添加物選択は慎重に行う必要がある.セレンは16族元素であるから,p型伝導をするセレンを作製するには,周期表で左側である15族の元素,また,n型伝導をさせるには17族であるハロゲン元素を用いることが考えられる.アモルファスセレンに添加して,p型,n型伝導を示すような不純物を15族および17族から探し出し,実際に添加し電気的特性を測定することを目指した.その結果,p型伝導,n型伝導を示すような不純物の特定に成功し,現在添加方法などの諸条件の検討を行っている.今後はpn接合素子を作成し,起電力測定を含めた電気的特性の評価を重ね,添加条件の最適化などを行う予定である.
|