2012 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスセレンを用いた低価格・長寿命太陽電池の試作
Project/Area Number |
21560053
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
岡野 健 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20233356)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | エネルギー全般 / 太陽電池 / 電子・電気材料 / 半導体物性 / アモルファス |
Research Abstract |
前年度に引き続き、アモルファスセレン太陽電池開発を行った.添加する不純物の選定、及び添加方法を確立し,pnあるいは,pin構造をアモルファスセレン膜の内部に作り込み,最終目標である発電デバイスの実装を目指した. 先行して昨年度に続き,NaCl水溶液(塩水)の電気分解の原理を用いて,塩素イオンを膜内に取り込んだ.pn判定の為にゼーベック測定を行った結果,塩素を取り込む前と後で,極性が正から負に変化していたことから,塩素添加膜はn型,電気分解前がp型ということが分かった.一方で,有毒なヒ素に変わる添加物を模索した.文献調査などにより,Seを含むCIGSなどの第二世代太陽電池素材は,キャリア伝導の向上の為,Naを添加するとの報告があったことから,Naの添加を試行した.幸いCl添加に用いていたNaCl水溶液にはNaが含まれる為,最終的には,シーケンシャルに電気分解時の電極の極性を変えるだけでNa添加を,あるいは二極同時に電気分解し,平面方向にp-n構造を作り込めないかという発想に至った. Naの効果を確かめるべく,先述した電気分解法の極性を逆にした電気分解を行い,その前後での電気特性の評価を行った.膜の上に1mmの隙間を設けて電極を設置し,電流電圧特性を暗電流,可視光照射時の電流は線型のままだったが,254nmの紫外光を照射下時のみ,非線形の整流特性を示した.このことから,Cl添加のa-Se膜同様,紫外光に対して光導電性を示すことが明らかになった.最終的に,シーケンシャルな平面pn構造の作りこみを行った.以後ToF-SIMSによる不純物濃度解析,EBIC測定などの検証などが必要ではあるが,電流電圧特性の結果から,整流性が見られたことから,概ね予想通りの構造が出来上がっていると考えられ,電気分解条件によってp層n層の幅をコントロール出来るという可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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