2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560056
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
崔 博坤 明治大学, 理工学部, 教授 (30143530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 信一 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (40334578)
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Keywords | ソノルミネセンス / アルカリ金属原子 / ナトリウム発光 / パルス幅 / 高速度カメラ |
Research Abstract |
アルカリ金属原子を含む溶液からのソノルミネセンスには,連続スペクトル成分に加えてアルカリ金属特有の発光線が含まれる。その発光機構解明を目的にして,本年度はNa線の発光パルス幅の測定を行った。シングルバブルソノルミネセンスの発光パルス幅は60-250psであることが知られ,その研究から黒体輻射モデルでは説明できず,プラズマの制動輻射モデルと合うことが分かっている。Na線に関してはこれまでエチレングリコール(EG)溶液中でパルス幅が60nsと2桁も大きいことが報告されている。 今回EGにNaClを溶解した溶液でソノルミネセンスを観測し,パルス幅を4G/s samplingオシロスコープと高速応答フォトマルで測定した結果,従来の報告とは異なりマルチピークパルスとシングルパルスが観測され,個々のパルス幅は約400psであることが明らかとなった。連続発光成分とNa発光のパルス幅は同程度であることも分かった。 マルチピークパルスの原因を探るため高速度カメラと高速度発光動画による気泡ダイナミクス観測を行ったところ,数百ミクロンの大きな気泡から微小気泡が分裂・放出され,それらの微小気泡が同時にNa発光していることが原因であることが判明した。この結果から,溶液中のNaイオンは気泡分裂の際にdroplet状態で気泡内に入ることが明らかになった。気泡内での高温のためNa原子になることが想像される。
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Research Products
(18 results)