2010 Fiscal Year Annual Research Report
コルゲート導波管内伝搬定常大電力ミリ波の実時間強度分布モニタ及び伝搬モード分析
Project/Area Number |
21560058
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
下妻 隆 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80270487)
|
Keywords | 計測工学 / プラズマ・核融合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大型核融合装置におけるミリ波加熱装置や工業用の高周波加熱装置のトータルな効率改善に大きく寄与するために、コルゲート導波管などからなる定常大電力ミリ波の伝送効率を、より実際の稼働状態で評価できるシステムを構築することにある。その手段として,伝送路の途中に設けられたマイターベンドの反射板の温度上昇を実時間で測定することによって、電磁波ビームの強度分布を複数箇所で測定し、その情報より電磁波の位相情報、ひいてはモード成分を求めることにある。その目的のために、昨年度は20個のペルチェ素子アレイよりなるビーム分布モニターを構築し、ジャイロトロン出力を用いてビーム強度分布を熱情報として取り出すことに成功し、本方法の有効性の原理実証を行った。今年度は、さらに実用性を高め、熱情報の空間分解能を上げるために、素子数を約3倍の52個に増加することを計画した。多数の素子からの電圧信号を同時測定するためには、ビーム分布モニターの構成を根本的に見直す必要があった。サイズ約10mm角のペルチェ素子をプリント基板上に配置し、素子への給電ラインと、電圧測定のための測定ラインを両面プリント基板を用いて実現した。他方、温度上昇が測定されるマイターベンド反射板には,真空に耐えられ且つ電気伝導度を高くとれるように、銅とステンレス鋼の合わせ板を用いて、反射側を銅、フランジ部をステンレスとなるようにした。またペルチェ素子から熱を除去するヒートシンクとしては、反射板における数百キロワットに及ぶ定常電磁波のオーミック損失を処理できるように、水冷のヒートシンクを構築した。現在この改良型ビーム分布モニターをメガワットジャイロトロン管とコルゲート導波管よりなる実機電子サイクロトロンシステムに設置、実際の高パワーミリ波伝送を行い、電磁波ビームの分布が高分解能で測定可能であるかの試験を準備しているところである。
|