2012 Fiscal Year Annual Research Report
古典-量子マルチスケール輸送現象の可視化統合シミュレーション
Project/Area Number |
21560064
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
石尾 広武 福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (40271035)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | シミュレーション工学 / 計算物理 / 可視化 |
Research Abstract |
近年の科学技術の発達によるダウンサイジングの流れの中で、古典力学の世界だけでなく量子力学に支配される微視的世界が直接の研究対象となっている。そこでは、古典-量子対応の問題を避けて通れなくなってきた。特に、古典力学に見られるカオスが量子の世界にどの様に反映されるかについては、未だにはっきりとは分かっていない。そこで、開放系ビリヤードモデルの輸送現象に着目し、基本原理に忠実に基づく高精度な数値シミュレーションを行うことにより、カオス系に見られるマルチスケールな輸送現象を統合的に理解することが目的である。 本年度(平成24年4月1日~平成25年3月31日)は、研究の第三段階として、これまでの研究の第二段階で得られた膨大な計算データを連続的につなぎ合わせる作業が中心となった。その際、カオス的な粒子散乱が起きる開放系ビリヤードにおいて、数値シミュレーションに最適なエネルギー領域を抽出してきた。そして、フラクタルなどカオス系特有の多階層な輸送現象が現れることを確かめた。それと並行して、計算の結果を直感的に分かり易く可視化するための技術についても、研究を続けている。数値シミュレーションを通して、カオス系に特有のマルチスケールな輸送現象を、直感的にも分かり易い視覚情報として、統一的に理解できるようになれば、専門家だけでなく一般の人にとっても興味あるものになるであろう。そのためにも、可視化の専門技術をもった研究者や技術者らを訪ねて議論を重ねているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の第三段階として、これまでの研究の第二段階で得られた膨大なデータを連続的につなぎ合わせる作業を行ってきた。その際、カオス的な粒子散乱が起きる開放系ビリヤードにおいて、古典-量子領域におけるマルチスケールな輸送現象のシミュレーションに最適なエネルギー領域を抽出してきた。それと並行して、計算結果を直感的に分かり易く可視化するための技術についても、知識を深めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進め方について、当初の研究計画からは大きな変更はない。即ち、研究の第三段階の仕上げとして、より連続的なシミュレーションを実現するために、広範なエネルギー範囲の中で、補足データを引き続き収集する。そして、研究の最終段階として、本研究をベースにした教材ビデオの作製を行う。特に、高校生や大学生、一般の社会人にも最先端のミクロな科学に興味をもってもらえるように工夫する。
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