2012 Fiscal Year Annual Research Report
リスク証券化の社会的影響分析と工学的見地からの最適管理方策
Project/Area Number |
21560066
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 泰明 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90217068)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | リスク解析 / リスク証券化 / 確率モデル / 高速シミュレーション / 最適管理方策 / 確率微分方程式 |
Research Abstract |
平成24年度は,最終年度として,全体の総括と,実用的応用研究を中心に行った. まず,リスク証券化に関する解析の鍵となる,価格付けに対する一般的な方式の構成について,4年間の研究の総括的考察を行なった.これまでの研究を通じて開発してきた,2段階確率測度変換法による均衡価格の数値評価スキーム,および,Levy-Ito分解を用いた測度変換の基本指針の構成,の2点に基づいて,証券化したリスクの均衡価格を評価する基本的な理論構成全体を再整理した.これは,本研究全体の根幹を成す基礎理論の部分であり,社会的リスクの証券化に関して,新しい解析の方向性を立てることができたと考えられる.特に,基本となる確率モデルを様々な対象に適用し得るように拡張した場合にも対応し得る方法となっている点が本研究の大きな特徴であり,この有用性を確認するために,住宅ローンリスクの証券化による分散に関する解析,非金融デリバティブの代表例の1つである気温デリバティブを用いたリスクヘッジの解析,への適用を試みた.これらの研究については現在論文化している段階で,近々公表する予定である. 次に,リスク制御に関する応用事例として,工学上のリスクを,経済的観点から抑制・制御するという立場に基づき,昨年度(平成23年度)に引き続いて,社会インフラのメンテナンスへの応用研究,特にその中でも,最適性を導出するための基礎的部分に関する研究を進めた.本年度は,さらに細部を精査して実用化に耐え得るよう改良を進め,(i) 基本となる数学モデルにおける駆動雑音の混合型への拡張,(ii) 保守方策を小規模な補修と大規模な補強の2種類に拡張,について重点的に研究を進めた.後者は,リアルオプション的観点から見たオプションの可能性の拡張という点で重要であり,前年度までに得られた最適メンテナンス方策の導出の枠組みの中にうまく埋め込めることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|