2010 Fiscal Year Annual Research Report
逐次部分最適化に基づく大規模凸計画問題の高速解法の開発
Project/Area Number |
21560068
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 規一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (60284551)
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Keywords | 凸計画問題 / 遂次部分最適化 / 大域収束性 / 最大流問題 / 非負行列因子分解 / 代数的連結度 / 複雑ネットワーク / クラスター係数 |
Research Abstract |
本年度の主要な成果は,1)線形計画問題に対する逐次部分最適化アルゴリズムの開発と大域収束性解析,2)ネットワーク最大流問題を解く非線形回路網の大域漸近安定性の証明,3)非負行列因子分解のための乗法型更新アルゴリズムの大域収束性解析,4)グラフの代数的連結度を最大にする接続構造の発見,5)複雑ネットワークのクラスター係数制御法の開発,である.1)については,単体法に基づく逐次部分最適花アルゴリズムを開発するとともに,その大域収束条件を明らかにした.2)はネットワーク最適化の基本問題である最大流問題に関するもので,非線形回路を用いた解法の正当性を理論的立場から明らかにした.3)は機械学習や信号処理の分野で注目を集めている非負行列因子分解を最適化理論の観点から解析したものであり,乗法型更新とよばれる効率的最適化アルゴリズムの大域収束性を,部分的にではあるが,理論的に証明した.4)は代数的連結度を最大にするグラフの接続構造を理論と数値計算の両面から明らかにする試みであり,第一段階としていくつかの特殊な場合を考察して解決した.代数的連結度はマルチエージェントシステムにおける合意形成アルゴリズムの収束速度を決める重要な量である.最後に5)では,次数保存2辺張り替えとよばれるグラフの変換に着目し,この変換によるクラスター係数の変化分を陽に与えるとともに,この変換を逐次的に適用してクラスター係数を制御する方法を提案した.
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