2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560072
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
速水 謙 National Institute of Informatics, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (20251358)
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Keywords | 最小二乗問題 / 連立一次方程式 / 特異を系 / 反復解法 / クリロフ部分空間反復法 / 前処理 / GMRES法 / 共役勾配法 |
Research Abstract |
ランク落ちの最小二乗問題に対するCGLS(共役勾配最小二乗)法、特異な連立一次方程式に対するCG(共役勾配)法に対して、アルゴリズムを係数行列の像空間と核空間に分離する手法を用いた収束解析を行った。これにより、CG法が、(対称正定値な場合だけでなく、)対称半正定値な係数行列をもち、consistent(右辺が係数行列の像空間に含まれる)場合にも有効であることを示した。この結果を国際学会で発表した。 また、ランク落ちの最小二乗問題に対して提案したGreville法に基づいた前処理付きGMRES法に関して、国際学会で発表し、英文論文にまとめて投稿した。また、同手法を線形計画問題の内点法による解法の各反復で生じる最小二乗問題に適用し、その有効性を検証し、学会で発表した。同手法は従来の行列の疎性を考慮したコレスキー分解法に比べると速度では劣るが、安定性では優れている。 さらに、内部反復による前処理を用いた最小二乗問題のクリロフ部分空間反復法を開発L、その有効性を数値実験により明らかにし、国内外の学会で発表した。特に、GMRES法(一般化残差最小化法)に長方行列に対するヤコビ法またはSOR(Successive Over Relaxation)法型の内部反復前処理を用いた手法は、ランク落ちの問題にも適用可能で、RIF(Robust Incomplete Factorization)前処理を用いた従来法に比べて速度および必要メモリーの点で優れ、内部反復を用いたCGLS法より高速であることを数値実験により示し、理論解析も行った。
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