2009 Fiscal Year Annual Research Report
材料深部き裂の検出とき裂近傍ひずみマッピングを可能とする白色X線システムの開発
Project/Area Number |
21560074
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴野 純一 Kitami Institute of Technology, 工学部, 教授 (60206141)
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Keywords | 白色X線 / 高エネルギーX線 / シンクロトロン放射光 / き裂 / ひずみ / X線CT / 非破壊評価 |
Research Abstract |
稼働中の構造部材に生じたき裂による破壊事故が続いている。人命にかかわる重大な事故となることも多いため、き裂の発生原因や進展メカニズムの解明と対策の確立が急がれている。そこで本研究では、シンクロトロン放射光から得られる高エネルギーの白色X線を利用して、さまぎまな構造部材の破壊の原因となる材料内部のき裂をCTで非破壊検出して位置を特定し、その近傍のひずみマッピングを同じ装置環境で行うことを可能とする測定システムを開発する。 平成21年度に得られた主な成果を下記に示す。 1)白色X線を用いたCTによる内部き裂検出の自動化のため、き裂を検出するプログラムを検討した。き裂などの欠陥ではCT画像の輝度が変化する。それを利用して欠陥を検出するプログラムを作成した。その結果、1枚の断面画像からでは判別が困難だったため、画像上の1点の輝度値を、上下の画像を含め周囲合計27点の輝度値の平均値に置き換える平滑化を行った。さらにき裂進展方向に直交するライン上で±25列の輝度値を積算する平均化を行った。その結果、き裂先端位置を明らかにすることができた。しかし、この処理によるき裂先端検出時の測定分解能は18μm程度となり、実用的にはもう1桁の分解能向上を検討する。 2)測定データ解析システムの検討を行った。き裂先端近傍のひずみマッピングでは多くの測定点を必要とするため、解析時間の増大や処理時のヒューマンエラーの発生などがあり改善すべき課題となった。そこで、ピーク検出やバックグラウンド除去を自動的に行うプログラムを作成しデータ解析の効率化とデータ処理条件の統一化を図った。その結果、エネルギー分散法では同時に測定される多くの回折ピークを自動的に判別しガウス曲線近似で求めることができた。これまでの方法と比較し、ほぼ同様の結果が得られた。今後はインターフェイスを整理し使いやすいプログラムを検討する。
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Research Products
(7 results)