2011 Fiscal Year Annual Research Report
ジュール発熱の熱変形を利用した自己損傷検知複合材料構造
Project/Area Number |
21560079
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
轟 章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50211397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 義弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40337879)
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Keywords | CFRP / 層間はく離 / 電気抵抗 / ジュール発熱 / モニタリング / 落錘試験 |
Research Abstract |
CFRP積層平板構造の衝撃損傷において,実機を想定した衝撃試験や衝撃過重負荷時のデント発生,離型フィルム巻き込み,電極はく離などの実用的な実験を実施し,ジュール発熱を利用した統計的判定方法を用いることで損傷の判定,およびに損傷でないものの誤判定の可能性の可能性について実験的に検討を行った.また,3次元FEM解析においても,3電極法の有効性を確認した.その結果,実際の衝撃試験においては,はく離発生を検知可能であることを実験的に実証した.また,CFRP平板の裏面にゴムを設置して衝撃損傷が発生しないようにした上で,電極部分に落錘を落下させる試験を実施し,落錘回数が複数回発生するようにした.複数2回の落錘試験で電極がはく離したが,統計的判定方法では衝撃損傷の発生を誤判定しなかった.超音波探傷試験で実際に損傷が発生していないことを確認し,損傷発生がなければ電極が衝撃損傷を受けても誤判定しないことを実証した.さらに,CFRP平板の成形時にフィルムをプリプレグ間にはさんで成形し,人工欠陥を製造した.これは,実際のプリプレグの離型フィルムはがしわすれに対応する実欠陥であり,従来の電気抵抗変化法では検出不可能である.ジュール発熱を利用した本研究の統計的検知手法においては,この成形欠陥を損傷ありと判定した.さらに,衝撃の大きさを変化させ,小さな衝撃荷重負荷においても本研究の手法が有効であることが実証された. 以上の結果から,本研究で提案したジュール発熱を利用した自己損傷検知複合材料は統計的判定手法を利用することで実現可能であることを実証した.また,電極はく離などの影響を受けにくい実用的な手法であることが明らかにされた.
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