2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560081
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 賢治 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (30154537)
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Keywords | X線応力測定 / シンクロトロン放射光 / 微視的残留応力 / オーステナイト系ステンレス鋼 / 弾性異方性 / 衝撃引張り / レーザーピーニング / ウォータジェットピーニング |
Research Abstract |
塑性変形により形成された微視的残留応力のひずみ速度依存性について実験と研究を進めた.具体的には,SUS316Lの平板試験片を万能試験機により引張り速度を変化させた種々の試験片を製作した.また,衝撃試験機(split Hopkinson bar test)により高速のひずみ速度で塑性させた試験片も準備した.さらに,一軸引張り以外の塑性変形機構として,レーザーピーニング,ウォータジェットピーニングによる表面残留応力改質したSU316Lも用意した. 以上の各試験片について,ラボX線および高エネルギーシンクロトロン放射光により残留応力測定を行い,多数の回折面を利用して測定された残留応力と回折面の依存性について解析した.高エネルギー放射光の透過力を利用したcos^2χ法を実施し,粗大粒組織の残留応力に対するその有効性を確認した.ピーニング材については,透過法が利用できないので,表面の残留応力勾配があることなどを考慮して,侵入深さ一定法を利用した. 以上の一連の試料とそれらの測定から,微視的残留応力と結晶弾性異方性の関係について準静的および動的の挙動を確認し,ひずみ速度が天きくなると微視的残留応力が小さい傾向が得られた.また.微視的残留応力における引張り塑性と圧縮塑性のメカニズムについても解明した.微視的残留応力の回折面依存性からクレーナモデルによる回折弾性定数の大小が,角回折面の微視的残留応力の大小と関係した.また,圧縮塑性変形と引張り塑性変形では,微視的残留応力の傾向が逆になるメカニズムについてもモデルを提案し説明した.
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Research Products
(3 results)