2009 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いたヒト海綿骨の3次元構造および力学的性質の評価に関する研究
Project/Area Number |
21560082
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂本 信 Niigata University, 医歯学系, 教授 (80215657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 公一 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70296317)
田邊 裕治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60143020)
大森 豪 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (70283009)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 生体力学 / 骨 / MRI / 動的ナノインデンテーション / 海綿骨 / 三次元骨構造解析 / 骨密度 |
Research Abstract |
本研究では人体に影響が無いと考えられるMRI(Magnetic Resonance Imaging;核磁気共鳴画像)を用いて複雑な網目構造を形成している海綿骨の3次元構造や海綿骨を構成する骨梁の力学的性質を評価する新たな骨臨床診断方法を開発し,海綿骨の生体適合性等を明らかにすることを主な目的としている.平成21年度では,臨床で一般的に用いられている1.5T-MRIを用いて摘出した11名のヒト大腿骨頭の3次元骨梁構造パラメータ(骨体積分率BV/TV(Bone Volume/Tissue Volume),骨梁厚Tb.Th(Trabecular Thickness),骨梁数Tb.N(Trabecular Number),骨梁間隔Tb.Sp(Trabecular Separation),異方性度(Degree of Anisotropy ; DA))の定量的解析を行うとともに,micro-CTによる測定結果と比較した.さらには,pQCT(peripheral Quantitative Computed Tomography)による単位体積当たりの骨密度vBMD(volumetric Bone Mineral Density)とMRIによる見かけの骨梁体積分率との比較を行い,1.5T-MRIによる骨梁構造解析の精度と臨床応用の可能性について検討を行った.その結果,MRIで求められた見かけの骨体積分率BV/TVはmicro-CTで求められたそれよりも約0.9倍低く,骨梁数Tb.Nは約0.6倍低く,骨梁数Tb.Thおよび骨梁間隔Tb.Spはそれぞれ約1.6倍および1.8倍高い値となった.また,MRIで得られた見かけの異方性度DAは,micro-CTの異方性度よりも約2.2倍高い値を示した.また,micro-CTとMRIの各パラメータの相関係数は,それぞれBV/TVではr=0.57,Tb.Thではr=0.40,Tb.Nではr=0.45,Tb.Spではr=0.59,DAではr=0.40であり,MRIによる見かけの各骨梁構造パラメータとmicro-CTで求めた値との間にはいずれも相関関係が認められた.さらには,pQCTによる単位体積当たりの骨密度vBMDとMRIによる見かけのBV/TVとの間には正の相関(r=0.40)が認められた.これらの結果より3次元骨梁構造を1.5T-MRIで評価する手法の可能性を明らかにした.
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Research Products
(7 results)