2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560088
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 英一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00111831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 創太 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80293653)
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Keywords | 生体力学 / ヒッププロテクタ / 試験法 / 骨折評価基準 |
Research Abstract |
この研究は,転倒による大腿骨頸部骨折の予防装具である、ヒッププロテクタの有効性評価方法を確立することを目的とする。昨年度は危険な転倒条件抽出を目的として,マルチボディー大腿部有限要素複合改良モデルを用い、歩行時に生じうる種々の転倒条件を再現するシミュレーションを行った。その結果、健常人では骨折はほとんど生じず、骨粗鬆症等による骨強度の低下を考慮することが重要であり,また骨や骨格筋の力学モデルや大腿骨等の有限要素モデルの再現精度を向上させて,解析精度をより一層向上させることが本質的に重要であることが明らかとなった. 今年度はまず,骨格筋の力学特性に対する実験結果を整理し,精度の高い骨格筋改良モデルの構築を行うとともに,骨モデルの改良を行った.また骨盤モデルを追加したマルチボディー大腿部-骨盤有限要素複合モデルを新たに構築し,従来の転倒条件に加えて尻餅転倒のシミュレーションを実施した.その結果,尻餅転倒による骨折の危険性が極めて高く,予防装具開発のための想定転倒条件に加えることが不可欠であることが明らかとなった. 他方,前年度に転倒シミュレーション結果を再現でき、かつ簡便に評価できるプロテクタ評価試験機の構築を試みたが,今年度は,以上の結果をより忠実に再現できる本格的な落錘型ヒッププロテクタ有効性評価システムを構築した。人工骨に転倒を模擬した衝撃荷重を負荷して、加速度計、ロードセル、動ひずみ計等により各種物理量の出力を評価できるようにしたものである.各種ヒッププロテクタを装着して試験を実施し,有効性の評価を行った.今後データを追加した上で,成果をまとめて報告する予定である.
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