2012 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱性インテリジェント複合平板における実用的な熱応力制御法の開発
Project/Area Number |
21560093
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
芦田 文博 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60149961)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インテリジェント構造物 / 圧電センサ / 圧電アクチュエータ / 耐熱性構造材料 / 非定常熱応力制御 / 安全設計 / 最適設計 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
今年度は,昨年度までに導かれた結果に基づき,引き続いて研究を実施したところ,次の研究成果が得られた. 1.スマート複合平板の最適設計:1つの耐熱性構造材料層の上に1つの圧電センサ層と複数の圧電アクチュエータ層が接着された多層複合平板をモデルに,構造材料層に作用した未知の非定常熱負荷に適応して,構造材料層の非定常熱応力を常に最小化するスマート機能の発現法を開発した.併せて,数値シミュレーションも行ったところ,センサ層で検出された非定常電位差から未知の非定常熱負荷が決定されるとともに,構造材料層の非定常熱応力が常に最小化されるようにアクチュエータ層の印加電位差が決定されており,想定した機能が発現されていることが示された.さらに,アクチュエータ層が増えるのにつれて,非定常熱応力の抑制率が高くなることが明らかになった. 2.多層複合平板の最適設計手法の開発:1つの構造材料層と多くの圧電アクチュエータ層で構成された多層複合平板において,構造材料層に既知の定常熱負荷が作用した場合,構造材料層に生じた最大熱応力の抑制率が最大となるように,各アクチュエータ層の厚さと電極配置及び各電極の印加電位差を同時に最適設計する手法を開発した.併せて,数値シミュレーションも行い,本解析モデルで達成可能な最大応力抑制率を明らかにした. 3.高機能アクチュエータ層の開発:応力制御機能を高めるために,アクチュエータに傾斜機能圧電材料層を用いた場合について,応力抑制率が高くなるように物性値の変化を最適設計する手法を開発した.併せて,数値シミュレーションも行ったところ,アクチュエータが均質圧電材料層の場合に比べて,最適設計された傾斜機能圧電材料層の場合は応力制御機能がかなり高くなることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5年間の研究期間の4年目が終了した.これまでに得られた研究成果から概ね当初の研究計画通りに研究が進んでおり,次年度の1年間で研究目的を達成できるものと見込まれる.
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Strategy for Future Research Activity |
1.今後の推進方策:前項で述べた通り,本研究は概ね順調に計画通りに進んでいるため,研究目的を達成できるよう次年度も同様に研究に取り組む. 2.研究計画の一部変更:研究実績の概要の「1.スマート複合平板の最適設計」でアクチュエータを多層化した場合,アクチュエータに印加する電位差を決定できたものの,最適解は不安定であり,解決に時間を要した.そこで,今年度はアクチュエータを多層化した場合のスマート機能の発現法を開発する研究を実施し,構造最適設計は次年度の課題とした.
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