2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属と高分子材料の直接接合における新しい技術の開発
Project/Area Number |
21560097
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
きゅう 建輝 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 教授 (40244511)
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Keywords | 高分子材料 / 金属 / 接合 / 界面構造 / 接合強度 |
Research Abstract |
フェノール樹脂とアルミニウムとの接合特性に及ぼす表面処理剤および繰り返し熱負荷の影響にっいて検討し、その結果は次の通りである。(1).成形収縮率の異なる三種類のフェノール樹脂は熱膨張係数においてAとBがアルミに近く、直接接合が可能であるが,Cでは熱膨張係数がアルミの3倍となっているため、いずれの接合条件でも接合できなかった。(2).いずれの表面処理剤は金属表面およびフェノール樹脂との間に何らかの反応が生じるため、異相界面の接合に有効であり、接合強度が1.6~2.6倍向上させた。ただし、表面処理剤の種類によりその効果が異なる。(3).接合体に繰り返し熱負荷を与えると、アミノ系の表面処理剤は界面結合効果をさらに促進させ、接合強度が向上するが、エポキシ系の表面処理剤では熱により劣化され、界面結合効果を低下させるため、接合強度が大きく低下した。(4).本研究では表面処理により接合強度の上昇がそれほど大きくないが、電気自動車用バッデリの要求における気密試験では6MPa以上のせん断強度が有れば、問題がないので、接合強度を満足している。ただし、今後、繰り返し熱負荷を受ける場合は表面処理剤の接合特性と熱サイクルとの関係をさらに検討する必要がある。(5)インサート成形は、すべての樹脂において、接合が可能であり、また、残留応力が樹脂の熱膨張係数に強く依存することがわかった。
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Research Products
(2 results)