2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属と高分子材料の直接接合における新しい技術の開発
Project/Area Number |
21560097
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
きゅう 建輝 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40244511)
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Keywords | 高分子材料 / 金属 / 接合 / 界面構造 / 接合強度 |
Research Abstract |
前年度の試験結果を踏まえて、フェノール樹脂とアルミニウムとの接合特性に及ぼす繰り返し温度変化の影響について重点的に検討し、その結果は次の通りである。(1).せん断強度の高い三種類の表面処理剤を用いて作製したせん断試験用試験片に対して室温~150℃で100サイクルの熱負荷を加えると、表面処理剤の種類により、せん断接合強度がそれぞれ、低下(約54%)、ほぼ無変化、向上(23%以上)という全く異なる三つの変化傾向が生じることが分かった。これは繰り返し加熱により、アミノ系のような表面処理剤はさらに化学反応を起こし、界面結合効果を促進させ、接合強度が向上する場合、およびエポキシ系のような表面処理剤では高温により劣化が生じ、界面結合効果を低下させ、接合強度が低下する場合もある。つまり、表面処理剤の特性などは温度変化に強く依存することが考えられる。(2).インサート成形した試験片はアルミの表面をシランカップリング剤で処理すると,いずれの条件において接合強度が向上し、最大せん断強度が11.9MPaに達することもある。また、室温~150℃で繰り返し熱負荷を加えると、熱膨張係数の大きいフェノール樹脂Cの接合体は残留応力の変化幅が大きく、それに繰り返し熱負荷の増加につれて、残留応力が次第に減少する傾向が認められる。一方、熱膨張係数の小さいフェノール樹脂A,Bの接合体では、繰り返し熱負荷を加えても、残留応力の変化が小さく、ほぼ一定のレベルを維持している。つまり、接合体の残留応力が樹脂の熱膨張係数に左右されることが認められる。
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Research Products
(3 results)