2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560103
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
齋藤 賢一 Kansai University, システム理工学部, 准教授 (90294032)
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Keywords | 計算力学 / 粒子法 / 固体力学 / 分子動力学 / SPH法 / マルチスケール解析 / 金属物性 / ナノクラスター |
Research Abstract |
本研究では、材料の機能・強度・形態の評価のための計算力学(計算機シミュレーションによる力学的計算)の新たなる解析方法としての「ユニバーサルな粒子法」の構築について検討している。本年度は、(1)粒子法による微視的解析およびマルチスケール解析への発展と(2)分子動力学のスケールアップ手法の理論的構築、についてそれぞれ研究遂行した。 (1)の研究においては、マクロ粒子法であるSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)、DPD(Dissipative Particle Dynamics)とミクロ粒子法である分子動力学(MD)法を用いて、回転による加工物体の解析、生体内ベシクル(小胞体)構造の安定性、金原子のナノクラスター構造の超弾性機能、NiAl合金/NiTi形状記憶合金の相変態および非晶質化などの、固体物質を対象とした様々な解析を行った。その結果、シミュレーション手法による力学的性質の評価および固体物質に内在する各スケールでのメカニズムの発掘が可能であることが示された。また、幾つかの粒子的な手法同士の親和性を探った結果、ミクロ的視点とマクロ的視点の双方を兼ね備える(2)で取り扱うことになるハイブリット手法の開発が急務であることが確認された。一方、(2)の研究では、MD法とSPH法を取り上げ、これらをコンカレントに無理なく結合して解析する手法の構築に着手した。特徴的なサイズスケールに応じて空間的に分割されたサブシステムを、全システムのラグランジアンとして総合し、基礎方程式を導出する方法を検討した。その結果、粒子間力の橋渡しの方法によって、理論的にMD-SPH間のハイブリット解析が可能であることが確認された。応用例として、金属材料内のき裂進展の問題に適用して検討を始めており、継続進行中となっている。 以上の研究結果は、論文または学術講演会による対外的な発表を行うことで、議論を重ねた。
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[Journal Article]2010
Author(s)
Tomohiro Sato
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Journal Title
Characteristic Deformation and Structural Changes of Ni-Ti Alloys by Molecular Dynamics : Phase Transformation and Amorphization(In "Shape Memory Alloys" Editor : H.R.Chen, Chap.7, ISBN : 978-1-60741-789-7)(Nova Science Publishers, Inc.(NewYork))
Pages: 231-246
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