2011 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析評価を用いた軽量高強度材料Al3Tiの延性改善と塑性変形メカニズムの解明
Project/Area Number |
21560106
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
吉田 政司 独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10370024)
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Keywords | 金属間化合物 / チタン化合物 / アルミニウム化合物 / ビッカース硬度 / 引張強度 / 放電プラズマ焼結法 |
Research Abstract |
正方晶DO_<22>型Al_3Ti、および立方晶Ll_0型(Al,Ni)_3Tiを、放電プラズマ焼結法を用いて、900℃から1100℃の範囲で焼結した。高温での変形挙動を調べられるように、引張試験機に電気炉を取り付け、500℃までの引張試験が行えるように装置の改良をおこなった。Al_3Tiの結晶粒サイズは、焼結温度が1000℃のとき約5ミクロンで1100℃のときは約20ミクロンまで増加した。1000℃で焼結したAl_3Tiの、室温での引張強度は200MPaであるが、500℃での引張強度は100MPaに減少した。引張強度は結晶粒サイズが大きくなると低下した。Ni量xを7%に固定した立方晶Ll_0型(Al,Ni)_3Tiの引張強度は、焼結温度が1000℃の試料が350MPaであり、正方晶DO_<22>型Al_3Tiの引張強度よりも高い値が得られたが、焼結温度が1100℃の試料では引張強度は250MPaに下がった。画像解析による変形挙動解析をおこなったが、正方晶DO_<22>型Al_3Ti、および立方晶Ll_0型(Al,Ni)_3Tiのいずれでも塑性変形は認められなかった。破断面観察から破壊は粒界破壊であることがわかった。 立方晶(Al,Ni)_3Tiの粒界強度を改善するためにTiB_2添加による効果を調べた。10%のTiB_2の添加により(Al,Ni)_3Tiの引張強度は450MPaに改善された。また、TiB_2の添加量を増やした場合、1000℃においてTiB_2の焼結が顕著に促進され、緻密なTiB_2-30%(Al,Ni)_3Ti複合材が得られることがわかった。1000℃で焼結したTiB_2-30%(Al,Ni)_3Ti複合材において引張強度800MPa、ビッカース硬度HV=1600の高強度、高硬度材料が得られることがわかった。
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