2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560112
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田村 武夫 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (90115048)
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Keywords | 超硬合金 / ワイヤ放電加工 / 溶融再凝固層 / クラックレス / SI-cut / 表面改質 |
Research Abstract |
超硬合金をワイヤ放電加工で成形するとともに,同じ加工機上でSurface integrity cut(SI-cut)という新しい改質工程を導入することにより,ワイヤ放電加工面を完全にクラックレスにする目的で研究を行った. (1)SI-cut面のクラックレス化を評価 ワイヤ放電加工面とSI-cut面は,加工面の色合いで区別することができる.前者は,溶融再凝固層に覆われているため,白っぽい光沢のない面に,一方,後者は溶融再凝固層が除去され,母材が現出することから,青みがかった面になる.したがって,SI-cutによって加工面がクラックレスになったかどうかを加工面の色合いで判断することができる.しかしながら,SI-cut面にクラックがあるかどうかは電子顕微鏡で正しく評価することが必要である.そこでSI-cut条件を広範囲に変化させて,それぞれの加工面をすべて電子顕微鏡により観察し,上記の提案が正しいことが立証された.このことによってワイヤ放電加工面がクラックレスかどうかをSI-cut直後に評価できる. (2)SI-cutの加工条件の確立 SI-cutという表面改質技術を実用化するためには,SI-cutの成功率を限りなく100%に近づけることが急務である.幸いなことに,(1)からSI-cutによってクラックレスとなった加工面は,すべて青みがかった様子を呈することから,簡易的には加工後の色合いでSI-cutが成功したかどうかを判断できる.SI-cutによって,超硬合金加工面をクラックレスにする条件として,開放電圧,ワイヤと超硬合金とのギャップ長および脱イオン水の導電率を適正に設定すれば,100%に近いSI-cut成功率となることがわかった.特に,開放電圧は,ワイヤ放電加工時より低下させること,ギャップ長は0かそれより少し大きめにすることが大切である.
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Research Products
(1 results)