2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560112
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田村 武夫 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90115048)
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Keywords | 超硬合金 / ワイヤ放電加工 / 溶融再凝固層 / クラックレス / SI-cut / 表面改質 |
Research Abstract |
超硬合金をワイヤ放電加工で成形するとともに、同じ加工機上でSurface integrity cut (SI-cut)という新しい改質工程を導入することにより、超硬合金ワイヤ放電加工面を完全にクラックレスにする目的で研究を行い、今年度は以下の点を明らかにした。 (1)改質メカニズムの解明 オンザマシン表面改質では、クラックのある溶融再凝固層が電解作用によって選択的に除去されることでクラックレス化が達成されているものと考えている。ここでは、テーブル送り速度を大きくして、SI-cut工程の初期状態を観察することやワイヤ放電加工面とSI-cut面をそれぞれ割断という手法を用いて断面観察した結果、溶融再凝固層と母材との界面には、空隙が存在し、クラックや微小穴を介して浸透した脱イオン水がその空隙に達し、そこでは電解作用によりコバルトが溶出する。結合材であるコバルトが溶出することで、溶融再凝固層は遊離状態となり、母材から脱落していく。このようなプロセスでワイヤ放電加工面のクラックレス化が達成されているものと推測している。 (2)任意形状へのSI-cutの試み ワイヤ放電加工で製作される超硬合金製のパンチやダイスでは、異形状なものが多く、SI-cutが任意形状にも適用できるかどうかが実用化への指針となる。そこで、ギアポンプに使われるトロコイド形状に対して、SI-cutを試みた。その結果、適切なSI-cut条件に、電極ギャップやテーブル送り速度を調整することにより、トロコイド金型内面をクラックレスに加工することができた。
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Research Products
(2 results)