2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560118
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧野 武彦 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 助教 (70273315)
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Keywords | マイクロ・メゾスケール / 成形加工 / 結晶塑性解析 / 摩擦界面挙動 / 分子動力学解析 |
Research Abstract |
本研究は,寸法効果が顕著になるマイクロ・メゾスケールでの成形加工の解析法を構築することを目的とする.マクロな材料の塑性変形は連続体近似で扱えるが,結晶粒径と比較可能なほど材料の外形寸法が1mm程度以下に小さくなると,塑性変形本来の結晶塑性そのものを考える必要が生じてくる.さらに結晶方位の分布状態によって,材料の変形に強い異方性が生じる.これが塑性変形の寸法効果である.一方,工具/材料間の摩擦の寸法効果は,材料の大きさに対応して工具の表面状態を制御することが困難であることに起因し,摩擦状態の不均一を生じる.特に微小部品の加工では,材料全体の塑性変形におよぼす界面の影響が大きくなる.塑性変形中の界面の問題は,一定で均一であると仮定した摩擦係数によって予測しているのが現状であり,界面の本質に基づく新たな解析法が強く求められている.これらの塑性変形と摩擦の寸法効果を考慮した塑性加工の解析法が構築できると,摺動部分を含めたマイクロ・メゾスケールの構造体の設計にも応用でき,汎用の設計法としての活用が期待される.平成21年度は,有限要素多結晶モデルと界面の分子動力学法の結合を行った.第一原理電子状態計算を用いた異種材料界面の分子動力学解析の単純なモデルにより結晶方位による摩擦係数の数値表を作成し,有限要素多結晶モデルにより得られる界面の結晶方位からこの数値表より摩擦係数を読み出し,界面において場所ごとに異なり変化する摩擦係数を再び有限要素多結晶モデル計算の界面移動に適用する方法を開発した.この方法を実行すると,加工の経過による結晶粒ごとの摩擦係数変化の影響により,被加工材端面が非等方的な形状となり,結晶方位の変化に伴う摩擦係数の変化が,マイクロ・メゾスケールの変形に影響を与えることが確認された.
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Research Products
(5 results)