2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560119
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
内山 直樹 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (10273327)
|
Keywords | 工作機械 / 輪郭制御 / 同期制御 / 省エネルギー化 |
Research Abstract |
地球環境問題が深刻化しており,世界中の工場で昼夜を問わず利用されている工作機械においても,有効な省エネルギー化技術が望まれている。本研究では,工作機械制御への有効性が確認されている輪郭制御法を,5軸工作機械を対象とした方法に拡張し,省エネルギー効果ならびに制御性能の検証を行うことを主な目的とする。5軸工作機械は段取り替えが少なく工具寿命や仕上げ面を向上する等の利点を有し,近年需要が拡大しているため,有効な省エネルギー制御法が必要であると考える。 平成21年度の研究では,任意の制御則が実装可能な5軸工作機械装置を構築した。近年では,ギア等動力伝達要素のバックラッシュや弾性変形のないリニアモータやDDモータが工作機械に利用されるようになっており,この場合には工作物の質量変動や切削力等の負荷変動を考慮した制御法が必要とされる。本装置もリニアモータとDDモータにより駆動される構成とした。また,多軸工作機械では,負荷の大きな駆動軸に複数のアクチュエータを用いる同期制御方式がよく用いられているが,本装置も一部の駆動軸において複数のアクチュエータを用いる構成とした。 さらに,省エネルギー化のための同期制御法を提案し,実験的に2割程度の省エネルギー効果を確認した。この方法では同期精度を維持できるが,駆動軸方向への追従性能は劣化する。このため,この追従性能の劣化に伴う輪郭精度の低下を,輪郭制御により補償する方法も提案し,輪郭精度を維持したまま7%程度の省エネルギー効果が得られることを確認した。本研究成果を米国電気電子学会(IEEE)主催の国際会議論文としてまとめ,現在投稿中である。
|