2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560119
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
内山 直樹 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10273327)
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Keywords | 工作機械 / 輪郭制御 / 高精度化 / 省エネルギー化 |
Research Abstract |
地球環境問題が深刻化しており,世界中の工場で昼夜を問わず利用されている工作機械においても,有効な省エネルギー化技術が望まれている。本研究では,工作機械制御への有効性が確認されている輪郭制御法を,5軸工作機械を対象とした方法に拡張し,省エネルギー効果ならびに制御性能の検証を行うことを主な目的とする。5軸工作機械は段取り替えが少なく工具寿命や仕上げ面を向上する等の利点を有し,近年需要が拡大しているため,有効な省エネルギー制御法が必要であると考える。 平成22年度の研究では,平成21年度の研究において提案した輪郭制御法を拡張し,3次元軌道を対象とした輪郭誤差の推定方法を提案し,実験により有効性を確認した。従来法に比較して,推定誤差を約25%低減できることを確認した。さらに,工作物の質量変動や切削力等の負荷変動を考慮するために,モデル予測制御法の応用法を提案し,実験により有効性を確認した。予測区間を大きくすることにより,輪郭誤差の大きさを50%以上低減できることを確認した。また,送り系の駆動力の10%程度の外乱に対して輪郭精度を維持でき,十分なロバスト性を有することを確認した。さらに,5軸工作機械における輪郭誤差の推定方法を提案し,従来法では推定できなかった工具姿勢に関する輪郭誤差をリアルタイムで推定可能とした。輪郭制御による省エネルギー化についても,平成21年度の実験結果に加えて追実験を行い,輪郭精度を維持したまま30%以上の省エネルギー効果が得られることを確認した。以上の研究成果の一部は,英文ジャーナル誌2編および国際会議論文1編として採択された。
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