2011 Fiscal Year Annual Research Report
ラピッドローテーション鏡面研削によるナノ表面構造の創成
Project/Area Number |
21560122
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 稔 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (60504256)
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Keywords | 超高速研削 / 鏡面研削 / ナノ表面構造 / ラピッドローテーション研削 / ツルーイング・ドレッシング |
Research Abstract |
本研究は,砥石周速度を200m/s以上の超高速とし,同時に工作物周速度を高速化して研削を行う,超高速ラピッドローテーション研削法にトランケートツルーイング・マイクロドレッシング(TTM : Truncate Truing with Micro Dressing)法を組み合わせたラピッドローテーション鏡面研削法(RRMG : Rapid Rotation Mirror-like-surface Grinding)によって,従来の2倍以上の加工能率で鏡面研削を可能とし,さらに工作物表面にナノ結晶構造表面を創成しようとするものである. 平成23年度は研究最終年度として,超高速鏡面研削における粗粒cBNホイールのTTMドレッシング現象の解明および研削特性との関係を明らかにするとともに,RRMG法において各種研削条件が研削後の表面構造に及ぼす影響を解明し,ナノ結晶構造をもつナノ鏡面を実現することを目的として研究を遂行した.研究結果を要約すると次のようになる. TTMドレッシング現象の解明および研削特性との関係の解明においては,砥石周速度200m/s用チタン合金製コアのビトリファイドボンドcBNホイールを製作し,TTMドレッシング特性を検討した.すなわち,ドレッシング後の砥粒逃げ面のフィルム転写面を非接触3次元表面微細形状測定機により観察し,TTMドレッシング条件と砥粒表面状態特性値および研削後の表面粗さとの関係を解明した.その結果,ドレッシング条件により砥粒切れ刃逃げ面の表面トポグラフィが変化し,その微小破砕の方向性および破砕の大きさが研削後の表面粗さを支配することがわかった. また,RRMG法によるナノ結晶構造をもつナノ鏡面の創成に関しては,TTMドレッシングを施した上記のcBNホイールを用いて,周速度比(砥石周速度/工作物周速度)100の単純超高遠研削領域と周速度比25のRRMG領域を比較し,工作物の表面粗さおよび表面構造の観察を行った.その結果,周速度比25のRRMG条件で,加工変質層が観察できないくらいに小さくなり,極表面層に結晶組織が微細化された層が形成されていることが観察できた.切込みステップを最適化することによって,従来の2倍以上の加工能率で,加工変質層が極めて小さく,表面粗さRa0.05μm程度の鏡面を得ることが可能であった.すなわち,極表面層に微細な結晶組織をもつナノ鏡面が創成できる可能性を実証できた. 今後は,得られたナノ鏡面の極表面層の詳細観察を行い,結晶構造を解明しながら,耐摩耗性や摩擦特性の向上に寄与できる高機能ナノ鏡面の創成を目指す.
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Research Products
(2 results)