2010 Fiscal Year Annual Research Report
断続切削における工具表層の過渡的温度特性と熱化学反応性が工具摩耗に及ぼす影響
Project/Area Number |
21560124
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐藤 昌彦 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (50244512)
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Keywords | 切削温度 / エンドミル加工 / 温度測定 |
Research Abstract |
エンドミル加工および定切込み断続切削における工具刃先の加熱冷却特性について調べている。エンドミル加工における工具刃先の加熱冷却特性について、2本の光ファイバを連結させた熱放射温度計を用いることで高速回転している工具刃先からの熱放射を検出している。被削材にチタン合金、工具に超硬とサーメットを使用し、アップカットとダウンカットにおける相違を調べた。工具チップにあけた温度測定用の穴深さを変えることにより、すくい面から工具内部方向への温度勾配を測定している。アップカットでは切削開始から少し遅れて温度が上昇し、切削直後に最大値に達して冷却していくが、ダウンカットでは切削直後に急勾配で温度が上昇し、切削の途中で最大値に達して減少をし始める。加熱過程での切削工具への熱衝撃はダウンカットの方が大きく、冷却過程ではアップカットの方が大きい。工具内部方向への温度勾配は、アップカットの場合では冷却に伴う変化がダウンカットと比べると急であり熱的な負荷は大きい。超硬とサーメットを比較すると、サーメットの方が温度勾配は急であり、工具の熱伝導率の違いによるものと考えられる。ダイヤモンド工具を使用した断続切削実験では、切削長さを1mm、5mm、10mmと変えることにより、切削時間を0.1ms、0.5ms、1.0msと変化させ影響を調べた。切削速度は600m/minで、被削材はステンレス鋼とした。工具刃先温度は切削点から工具を透過してくる熱放射をダイヤモンド裏面から検出することにより測定した。切削時の工具刃先温度は、切削時間が短いほど低く、切削開始から定常的な温度に至るまでの時間遅れによるものと考えられる。工具摩耗については大きな違いはなく、0.1msから1.0msの間において切削時間が工具摩耗に与える影響は小さい。
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