2010 Fiscal Year Annual Research Report
プレス加工とエッチングを併用した多数列微細精密穴あけ技術の開発
Project/Area Number |
21560127
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣田 健治 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50273256)
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Keywords | 微細穴 / プレス加工 / 塑性加工 / エッチング / 加工精度 / バリ |
Research Abstract |
微細な孔はノズルやフィルターなどの需要がありプレスせん断加工の適用が試みられているが、バリの発生やクリアランス管理などの課題がある。申請者はその克服のためにコイニング加工により微細な圧痕を成形しその裏面をエッチングにより溶解除去することで、圧痕の横断面形状に沿った微細な孔を加工する方法を提案している。本研究では板厚0.1mmのベリリウム銅板を用い、この方法により多数列孔加工を実現するための加工要件の解明と加工プロセスの確立を目指している。今年度は多数列の丸孔加工における隣接間距離の影響について検討を行った。コイニング工程では先端角90°および60°の円錐圧子により深さ70μmの圧痕を、隣接圧痕間距離を変化させて直列に成形した。その結果、圧子先端角によらず孔縁間が50μm以上離れていれば圧痕形状に影響がないことがわかった。また、それ以下に近接させると先に成形された圧痕が後続の圧痕成形により変形したが、孔縁が局部的に変形するのみで圧痕の底部分では円形の横断面が維持されることがわかった。圧子先端角を90°から60°に変えることで、成形荷重は0.4倍に、また、孔縁が接する時の圧痕中心間距離は140μmから80μmに低減することができた。この最小の中心間距離で成形した圧痕に対してエッチングにより裏面を50μm溶解除去した結果、どちらの圧子先端角に対してもバリや破断等の欠陥のない円形断面の丸孔を得ることができた。孔径の精度に関しては、圧子先端角によらず幾何学的に計算される孔径よりもやや大きくなり、隣接する孔毎の誤差もやや見られた。その原因について圧痕の成形深さおよび溶解量の誤差を比較した結果、後者の影響が大きいことが判明した。
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Research Products
(1 results)