2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560130
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
松村 隆 東京電機大学, 工学部, 教授 (20199855)
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Keywords | マイクロ加工 / 切削 / 硬脆材料 / サファイア / 切削力 / 異方性 / エンドミル |
Research Abstract |
サファイアはAl_2O_3を主成分とする六方晶であり,a, c, m, rの結晶面に対して,機械的特性や化学的特性が異なる.今年度は,m面における平削りとエンドミル切削の特性を調べ,良好な仕上げ面を得るための切削条件を検討した. まず,切れ刃先端部のノーズ半径が0.6mmの単結晶ダイヤモンド工具による平削り切削様式において,C軸方向に対する切削方向が切削特性に及ぼす影響を調べた.切削試験では,被削材を3~5°程度傾け連続的に切削厚さを変化させ,切削厚さに対する仕上げ面の変化を観察した.また,切削力を測定し切込みに対する切削力の変化を調べた.その結果,切削力のAC成分の変動に基づいて,延性モードから脆性モードから遷移する状態を判定できることがわかった.また,脆性損傷が発生する限界切込みには異方性があり,C軸に対して垂直方向に切削する場合が最も大きく安定した仕上げ面が得られやすいことがわかった. 次に,直径0.4mmのcBNボールエンドミルによる切削について,C軸方向に対する工具の送り方向,回転数,送り速度が仕上げ面に及ぼす影響を調べた.C軸に対して垂直方向にエンドミルを送り,回転数20000rpmで切削すると良好な仕上げ面が得られる.また,送り速度は小さいほど仕上げ面が良好であることが明らかとなった. エンドミル切削では,脆性損傷とともに切りくずの再溶着が問題となった.再溶着は切削温度に起因するため,溝加工作業を粗工程と仕上げ工程に分割し,仕上げ工程では微小切込みにより温度上昇の抑制を図った.その結果,材料の溶着が抑制され,仕上げ面が改善された.
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Research Products
(1 results)