2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウォータドライブ超精密加工システムの開発と加工環境制御下における水中超精密加工
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21560131
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
中尾 陽一 神奈川大学, 工学部, 教授 (00260993)
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Keywords | 超精密工作機械 / ウォータドライブスピンドル / ダイヤモンド切削 / 水静圧軸受 / マイクロファクトリ / 水圧駆動システム / ウォータドライブステージ / 加工環境制御 |
Research Abstract |
本研究課題は,超精密メゾスケール部品の創成に適した,A3サイズに収まる小型ウォータドライブ加工システムを開発し,これを温度制御された水中加工環境下に設置して,水中超精密加工を実現することを目的にしたものである.具体的には,まず新たに考案したウォータドライブステージを開発し,これをすでに開発されたウォータドライブスピンドルとともに,高精度に温度制御された水を利用して,小型加工システムを駆動・制御する.その上で,加工システム全体をやはり高精度に温度制御された水中(水道水や純水)に設置し,加工精度の更なる向上を目的にして実施している. 研究3年目の研究成果を以下に示す. 1.ウォータドライブステージの運動精度評価 ウォータドライブステージの運動精度を反転法により測定評価した. 2.ウォータドライブ加工システムによるダイヤモンド切削試験 開発した加工システムを用いて,ダイヤモンド切削試験を行った.加工中のステージの運動精度と速度の評価を行った.その結果,加工中の速度変動があったため,制御系の改良点を明らかにした. 3.ウォータドライブステージやスピンドルに組み込む水静圧軸受の最適設計手法の検討水静圧軸受に組み込む,軸受絞りの最適設計問題について検討し,理論と実験により軸受剛性を最大にする軸受絞りの設計手法を開発した.さらに,開発した設計手法に基づいて,ステージの軸受絞りの再加工を行った. 4.ウォータドライブステージの速度制御系の再設計加工試験の結果から,ステージの速度制御系の改良点が明らかになったので,ステージのモデル化から再検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究遂行中にウォータドライブステージの部品一部が損傷したため,その修理に時間を要した.そのため,当初,研究を計画していた水中ダイヤモンド切削試験に係る研究が行えなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究において,装置取り扱いの問題から,ウォータドライブステージの部品一部が損傷し,その結果,ステージの運動精度に問題が発生した.これについては,装置の組み立て方法の定量的な評価を行い,同様の問題が発生しないような方策を施す予定である.今後は,高精度加工実現に向けて,加工実験による総合評価を実施する予定である.
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Research Products
(9 results)