2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブを用いた高アスペクト比加工とTEM内その場観察による加工原理の解明
Project/Area Number |
21560133
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
松室 昭仁 Aichi Institute of Technology, 工学部, 教授 (80173889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 誠 愛知工業大学, 工学部, 教授 (40288428)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノスケールSTM加工 / 低抵抗シリコン / 高アスペクト比凹凸加工 / TEM内その場観 / 加工原理 / カーボン材料 / ピエゾ試料ホルダー |
Research Abstract |
I.カーボンナノチューブ探針を用いて低抵抗SiのSTM加工を行い,加工条件が加工形状に及ぼす影響の検討,及びTEMを用いた断面微細組織観察により加工原理の考察を行い,以下の結論を得た. 1)低抵抗Siの大気中,室温でのSTM加工が可能であった. 2)W探針を用いてバイアス電圧を変化させ加工した結果,3Vでは穴形状,5V以上では凸形状の加工となった.これはCNT探針の場合も同様であった. 3)穴加工では加工時間の増加により,W探針では加工深さ・直径が共に増しアスペクト比はほぼ一定であった.CNT探針では直径は一定で加工深さのみ増し,アスペクト比が増加した. 4)低抵抗Siの高アスペクト比STMナノ加工において,穴加工,凸加工共にCNT探針の有効性が確認された.穴加工では3V,300s,0.1nAでアスペクト比0.28,凸加工では5V,120s,0.1nAで0.22が最大のアスペクト比となり,これらの値はそれぞれW探針のものと比較して約6倍及び約3倍であった. 5)加工部の断面TEM観察を行った結果,加工原理はそれぞれ,穴加工は電界蒸発,凸加工はエレクトロマイグレーションによるものと推測された. II.カーボン材料であるHOPGを試料としTEM内でタングステン探針に電圧を印加した状態で接近または接触させて、それによるナノ構造変化をリアルタイムで観察する方法の開発を行い、TEM内電圧印加その場観察実験を行った結果、以下の結論を得た. 1)100nm厚さの試料と電界研磨したタングステン探針をピエゾ素子を用いて電圧を印加させナノメートルスケールでコントロールできる試料ホルダーの作製に成功した. 2)電圧を印加しながら探針をHOPGに接近させると、HOPGが探針に吸い取られるように移動し、加工が進行する様子が観察された. 3)電圧を印加しながら探針をHOPGに接触させたところ、破壊部に歪みが生じ変形が観察された.
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Research Products
(3 results)