2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブを用いた高アスペクト比加工とTEM内その場観察による加工原理の解明
Project/Area Number |
21560133
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
松室 昭仁 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80173889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 誠 愛知工業大学, 工学部, 教授 (40288428)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノスケールSTM加工 / TEM内その場観 / 加工原理 / カーボン材料 / TEMホルダー開発 / 最適加工条件 / 応力負荷 |
Research Abstract |
本研究では、炭素材料のHOPG(高配向性熱分解グラファイト)を試料とし、TEM内でタングステン探針に電圧を印加した状態で接近または接触させて、それによるナノ構造変化をリアルタイムでその場観察する方法の開発を目的とした. 電解研磨してタングステン探針を作製した.HOPGをディスクグラインダーで100μmまで削りAuを蒸着させFIBで100nmまでの薄化に成功した.この試料をTEMホルダに固定し、TEM内に挿入し,ホルダに搭載されたマイクロメータで探針を接触寸前まで試料に近づけ、ピエゾ素子を駆動させて探針と試料の薄膜部の位置を微調整した.そして電圧を印加し、探針及び試料のナノ構造変化をリアルタイムでその場観察した. 得られた結果は以下である.その場観察に必要なタングステン探針の作製に成功した。ディスクグラインダーを使用して、脆いHOPGを薄く研削しておくことでFIB加工の時間短縮に成功した.切断・研削したHOPGを半分に切断した銅製リングに瞬間接着剤で固定して、FIBで100nmまで薄膜化することで、TEM内その場観察に使用可能なHOPG試料を作製することができた.以上の様に「TEM内その場観察法」を確立することができた.電圧を印加しながら探針をHOPGに接近させると、HOPGが探針に吸い取られるように移動し、加工が進行した.TEM内その場観察のときにHOPGのTEM像が明らかに薄くなっているのを明白に確認することができた.探針をHOPGに接触させて、微小な応力を与えることにより歪みが生じ、変形を確認することができた.また応力をさらに与えることによりHOPGの破壊を確認することができ歪みの発生を確認することができた.以上,HOPGのナノ加工プロセスをTEM内でその場観察することができ,そのメカニズムは電界蒸発もしくはマイグレーションであると結論付けられた.
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Research Products
(3 results)