2011 Fiscal Year Annual Research Report
絶縁物による小型部品製作のための旋盤型電解放電加工法の開発
Project/Area Number |
21560134
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
古谷 克司 豊田工業大学, 工学部, 教授 (00238685)
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Keywords | 絶縁体 / 精密加工 / 放電 / 電解 / 泡 / 穴加工 / 液膜 |
Research Abstract |
金属などの導電体の加工法に比べ,無機絶縁体への微細加工法は進展が遅れている.電解放電加工では電解液中で放電を起こすことで絶縁体に微細形状を創成することができる. 本研究では,平成24年3月までにガラスやセラミックスなどの絶縁性材料を軸対称形状に加工するために,小型部品の加工に適した旋盤型電解放電加工機を試作する.これにより通常の穴加工で問題となるクラックなどの表面性状低下原因を解明するとともに,加工性能を改善することを目的とする. 本年度は下記の2点について実施した. (1)形状加工機への改造 一般の旋盤加工では軸方向の穴加工も行われる.本方式でも同様の加工をすることが必要となる.軸の心振れを測定したところ,最大で700μmの周期的な振れがあることが明らかになった.そのため,構造を見直し,製作し直した.工作物の保持方法も改善したところ,最終的には170μmまで小さくすることができた. (2)穴加工法への適用 電極全体を加工液に浸すと,先端の加工部だけでなく,側面からも電流が流れ電気分解による泡が発生する.そのため,これまで通り工作物は横方向に取り付け,電極を液面より上に設置し,側面から押し当てることにした.工作物の回転により加工部位が一時的に浸り,電極先端では薄い液膜となる.これにより,電極先端のみで放電を起こすことができるようになった.実際に加工すると,加工の進行に従って,加工液が穴の奥へ到達しにくくなるため,加工速度が急激に低下した.
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