2009 Fiscal Year Annual Research Report
スラリー保持機能を発現する電界砥粒制御技術による高能率加工メカニズムの確立
Project/Area Number |
21560138
|
Research Institution | Akita Research and Development Center |
Principal Investigator |
赤上 陽一 Akita Research and Development Center, 工業技術センター, 上席研究員 (00373217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久住 孝幸 秋田県産業技術総合研究センター, 主任研究員 (40370233)
|
Keywords | 交流電界 / スラリー / 電界砥粒制御 / 遊離砥粒研磨 / 砥粒 |
Research Abstract |
電界砥粒制御技術におけるスラリー配置保持制御機能を適用した平面試料加工メカニズムの確立 試料に対して良好なスラリー配置分布を得ることで最終的には、砥粒を捕捉する弾性パッドを不要化し、直接研磨定盤に配置する加工メカニズムを確立することを目的とする。 H21年度は平面脆性材試料に対する電界砥粒制御技術が及ぼす遊離砥粒研磨技術の可能性、特にスラリー挙動についての検討を深めた。電界を与えることで研磨面におけるスラリー流れを観察できる小型研磨装置を開発した。本実験装置を用いて研磨下のスラリーの状況を観察した。研磨定盤とパッドさらに試料(ガラス)との間にあるスラリーが電界印加の有無によって、どのような影響を受けるのかについての観察実験を行った。スラリーの挙動を捉えるため、I.T.Oガラスを透明電極盤に使用し、下方よりCCDカメラでスラリーの挙動を捉えた。電界を印加することで周波数に呼応しながら上定盤方向にスラリーが引き寄せられ、さらに液滴の形状の変化も観察できた。次に、上定盤を回転させながら、電界を印加時の回転定盤外周部にスラリーを滴下後に、その時のスラリーの挙動を実験装置下方から撮影した。電界によって得られる吸引力がスラリーに作用し、遠心力に逆らいながら定盤中心方向へスラリーが流入する様子が確認できた。これらのことから、実際の研磨においても電界作用によって、研磨試料に対してスラリーの流入が良好となり研磨効率の向上が期待される。さらに研磨定盤下において、電界の有無によって得られる分布に差が発生するかについて検討した。無電界時に比べるとスラリー分布が良好な配置へ変化する現象を捉えることに成功した。また本傾向は定盤の回転数に大きく依存しないことも得られた。本研究成果は世界的も極めて貴重な成果であると考えられ、今後も深めてゆく。今後はスラリー観察実験から実際の研磨実験へ移行していき、電界印加環境における研磨特性評価を行う。
|