2011 Fiscal Year Annual Research Report
大作業領域と高精度運動を同時実現するハイブリッドマニピュレータの開発
Project/Area Number |
21560143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 行生 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20216914)
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Keywords | ロボット工学 / 機構学 / ハイブリッドマニピュレータ / パラレルメカニズム / 機構総合 / 誤差解析 / 剛性解析 / キャリブレーション |
Research Abstract |
本研究は,出力リンクが姿勢変化を伴うことなく3次元空間内で並進運動を行う空間機構(並進機構)と,出力リンク上の特定の点の位置が変化することなく出力リンクがその点(回転中心)のまわりに回転運動を行う空間機構(回転機構)とからなるハイブリッドマニピュレータを対象として,高精度運動と大作業領域を同時に実現するための機構設計法およびキャリブレーション法を開発することを目的としている.まず,試作回転機構の誤差補償特性について実験的に検討を行い,機構内の受動直進ジョイントに設けられた変位センサの測定値から逆変位解析に基づいて補償入力を決定するプロセスを2度繰り返すことにより回転中心の位置誤差の大幅低減が図れるものの,出力リンクの姿勢角が大きくなると補償後の誤差が大きくなることが確認され,この改善方法について検討を加えた.また,出力リンク等に作用する重力による回転中心の位置誤差を出力リンクの姿勢を種々に変化させて測定し,これと機構の剛性解析モデルによる計算値との比較を行った結果,それらの傾向が類似していることから,剛性解析モデルの妥当性を確認した.次に,高精度運動実現のために,機構の誤差モデルと曲面補正項を併用したキャリブレーション法を並進機構に適用した実験結果をもとに,本キャリブレーション法による高精度化手法について考察を行うとともに,回転機構について受動ジョイントの変位誤差測定値をもとにキャリブレーションを行う手法の開発に取り組んだ.さらに,回転機構の出力リンク上にスピンドルを搭:載した自由曲面加工機を構成し,その加工用制御プログラムを作成し,球面等の曲面加工を実施し加工精度の評価を行った.
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