2010 Fiscal Year Annual Research Report
窒化チタン複合表面改質膜の結晶配向制御による耐摩耗性向上
Project/Area Number |
21560147
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
春山 義夫 富山県立大学, 工学部・機械システム工学科, 教授 (00019225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 教世 富山県立大学, 工学部・機械システム工学科, 准教授 (10363871)
岩坪 聡 富山県工業技術センター, 副主幹研究員 (30416127)
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Keywords | トライボロジー / 表面創製 / 薄膜 / 摩耗 / 結晶配向 |
Research Abstract |
自動車用構造鋼板として期待されている、高張力鋼板の成形プレス用金型はまだ非常に短寿命であり、その寿命延長技術の開発が急務となっている。そのために金型表面に硬質膜被覆を施すことが有望視されている。 本研究では、窒化チタン複合表面改質膜の製膜方法やバイアス電圧等の製膜条件を改良して、被膜の緻密化と結晶配向を制御することにより、さらなる耐摩耗性向上を図ることを研究目的としている。 複合表面改質膜の作製はプラズマ光輝窒化処理装置、HCD型イオンプレーティンゲ装置を用いて行い、製膜面を蒸発源に対して常い陽になるように配置する等の工夫により.結晶が(111)面に優先配向させることに成功した。 摩擦摩耗試験等による被膜の性能評価を行い、膜性能に及ぼす影響因子を調べ以下のことが分かった。 (1)プレス金型等の厳しい摺動を想定したリングオンブロック摩耗試験においては,(111)面に優先配向した被膜はスクラッチングの発生が抑制され被膜寿命が約2倍に延長する (2)穏やかに摺動する機械部品を想定したボールオンブロック摩耗試験においては,(111)面に優先配向したものは耐摩耗性に劣る (3)押出しダイスを想定した窒素中でのリングオンブロック摩耗試験においては,基材に10時間以上の焼き戻し処理を行うことにより被膜寿命が約3倍に延長する
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