2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を用いた高真空対応型非接触精密案内機構に関する研究
Project/Area Number |
21560151
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉本 成香 Tokyo University of Science, 工学部第一部, 教授 (80096718)
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Keywords | 高精度非接触案内 / 高真空 / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究では、次世代光ディスク用マスターディスク製造やHDDのパターンドメディアやザーボ信号書き込みのために使用される真空チャンバ内の高精度位置決め装置に応用するために、イオン液体を用いた回転スピンドルおよび一軸案内の開発を目的としている。イオン液体は、その蒸気圧が、ほぼ零であるため、真空中においても蒸発することがない。したがって、イオン液体を用いることによって、従来の静圧空気軸受を用いた日接触案内機構に比較して、その構造を飛躍的に簡素化することができる。 本年度は、下記の課題について研究を実施した。 1.動圧型回転スピンドルの設計開発とその回転精度測定。真空チャンバ内に回転スピンドルを設置した場合のアウトガス測定 2.イオン液体を用いた静圧軸受用油圧ポンプの開発。上起動圧型回転スピンドルの回転数は、3000rpmで設計を行ったが、光ディスク用原盤の製作では、300rpm程度の回転数が使用される場合も多い。この場合、軸受すきま内に十分な動圧が発生せず、回転スピンドルの精度が低下する恐れがある。したがって、本研究では、静圧型の回転スピンドルの開発も行った。その際、イオン液体が高価であることを考慮し、できる限り少量のイオン液体を用いて静圧軸受を駆動できる油圧ポンプの開発が必要となるため、ここでは、超磁歪素子を用いた無脈動油圧ポンプを提案し、その特性の測定を行った。 3.静圧回転スピンドルでは、イオン液体が重力によって下方に滴れ落ち、エンコーダ、モータ等に損傷を与えることを防ぐ必要がある。そのため、本研究では、磁性を持つイオン液体を製作することで、磁性流体シールを構成することを提案し、その設計を行った。
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