2011 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を用いた高真空対応型非接触精密案内機構に関する研究
Project/Area Number |
21560151
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉本 成香 東京理科大学, 工学部, 教授 (80096718)
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Keywords | 真空 / 非接触運動機構 / イオン液体 / 磁性イオン液体 |
Research Abstract |
真空対応型の高精度非接触案内機構としては,これまで,静圧空気軸受と差動排気システムを組み合わせた方法が提案され,研究されてきた.しかしこの方法は,軸受面にシール部を設ける必要があるうえ,数個の真空ポンプを装備しなければならないという煩雑さがあった.本研究で提案するイオン液体を用いた非接触案内では,差動排気システムを必要としないため,機構設計がきわめて単純となるうえ,シール部を必要としないことから装置の小型化も可能である.そこで本研究では,イオン液体を用いた動圧型流体潤滑回転スピンドルおよび静圧型直動案内機構の開発を行うが,最終年度には下記のような事項について明らかにすることを目的とし,その有効性を確認した. (a).磁性イオン液体を用いた非接触シールの製作と性能評価 本研究では、動圧型の回転スピンドルに加え、静圧型の回転スピンドルを開発することとした。イオン液体を用いた静圧型回転スピンドルを製作する場合,ジャーナル軸受下部からの油漏れを防ぐ必要がある.本研究では,ナノサイズの磁性粉とイオン液体とを混合することによって磁性を持たせたイオン液体を製作し、そのイオン液体を用いた非接触シール構造を提案し,真空チャンバ内での使用可能性を確認することができた. (b).超磁歪素子を用いた無脈動ポンプの製作 イオン液体は、大変高価なものであるため、できる限りその使用量を少なくするほうが良いことはいうまでもない。したがって通常の油圧ポンプを用いた場合には、その脈動を取り除くためにアキュムレータなどの使用が必要となり、必要油量が多くならざるを得ない。そこで本研究では、超磁歪素子を用いた無脈動ポンプを提案することで、油圧ポンプの脈動を抑制し、かつ油量を配管中と軸受内の油量のみとすることを検討し,軸受変動を20nm程度にできることを確認した. (c).静圧型回転スピンドルおよび直動スライダの設計と製作 (b)で製作した油圧ポンプを用いた静圧回転スピンドルと直動スライダを設計製作し,基本的な特性を大気中で測定した後、真空チャンバ内に設置しアウトガスの測定を行った.さらに真空中での駆動試験を行うことによって提案するイオン液体を用いた非接触案内機構が、高真空チャンバに対応する機構としてきわめて有効であることを確認することができた。
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Research Products
(1 results)