2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷低減を指向した微少潤滑歯車の潤滑・冷却効果の検証
Project/Area Number |
21560158
|
Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
小西 大二郎 津山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80186717)
|
Keywords | トライボロジー / 環境技術 / 歯車 / 潤滑方法 / 冷却 / 温度効率 |
Research Abstract |
平成22年度は研究計画どおり、平歯車を対象に歯車箱を一部開放した状態で歯車単体を回転させ、外部の一定熱源(IHインバータ装置)で間接的に歯車を加熱し、歯の冷却性能をジェット潤滑法、遠心潤滑法、噴霧潤滑法をそれぞれ用いた場合で潤滑法のもつ歯車冷却性能を比較・調査した。加えて、外部大気を強制的に歯車箱内に取り込む方法や歯車箱を強制的に冷却する方法(ペルチェ素子による方法)が歯車冷却に及ぼす影響についても検討を加えた。 本研究では冷却性能を、温度効率(=(無給油時の定常歯車温度-給油時の定常歯車温度)/(無給油時の定常歯車温度-給油潤滑油温度))と伝熱特性数により評価した。結果、同じ潤滑条件(ISO VG 10,給油量150ml/min)で温度効率は、どの運転速度域においても噴霧潤滑法の場合が最も高く、以下遠心潤滑法、ジェット潤滑法を採用した場合の順であった。また、伝熱特性数(ヌセルト数と回転レイノルズ数)の関係曲線において、噴霧潤滑法、遠心潤滑法の場合には回転レイノルズ数増大にともないヌセルト数が単調増加し、ジェット潤滑法の場合にはヌセルト数が単調減少する傾向を示した。このことから、潤滑油量が極端に少ない条件下で噴霧潤滑法、遠心潤滑法は高速回転歯車の冷却法として適していることが分かった。 噴霧潤滑法は、潤滑油による歯車冷却とともに外部大気を強制的に歯車箱内に取り込むことで歯車箱内雰囲気温度上昇を抑制する方法であり、外部大気を強制的に歯車箱内に取り込むことによって歯車を効果的に冷却できることがわかった。しかし歯車箱を強制的に冷却する方法を併用しても、歯車箱内空気の熱伝導率が潤滑油のものより低いため歯車温度・歯車箱内空気温度に及ぼす影響は小さかった。
|