2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷低減を指向した微少潤滑歯車の潤滑・冷却効果の検証
Project/Area Number |
21560158
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
小西 大二郎 津山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80186717)
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Keywords | トライボロジー / 環境技術 / 歯車 / 潤滑方法 / すべり率 / 負荷試験 / スカッフィング |
Research Abstract |
本研究の目的は,使用潤滑油量の低減や極圧添加剤の使用を避けることで歯車装置の環境負荷低減を図ることにある. 昨年度までは冷却性能実験を実施した.本年度は,最大すべり率が低くなるように歯形設計しかつ確実に歯面に潤滑油を到達させることのできる遠心潤滑法を採用することで歯車温度やスカッフィング損傷の発生を抑制することができるかを評価・確認するための負荷試験を行った. 用いた試験歯車は歯直角方式はすば歯車で,歯先での最大すべり率が約30%のものと約50%のものを用意した.負荷試験は,スカッフィング発生の有無と歯車温度の関係を検討するため,小歯車回転速度2500rpm一定条件の下,歯面法線荷重を1.0kNから0.5kNごとに増加させるステップストレス試験とし,各荷重段階の運転時間は600sとした.試料油には冷却性能実験と同様,ISOVG10鉱油基油を温度313±2K一定条件下で給油量Q_<oil>=150mL/minの割合で給油し,歯面法線荷重と歯車温度の関係を遠心潤滑法とジェット潤滑法を採用した場合とで調べた. 以上のように給油量が極端に少ない条件下で,負荷荷重を変化させて負荷実験をおこなった結果,以下のことがわかった.遠心潤滑法を採用し低すべり率に歯車を設計すれば,歯車本体温度を大きく抑制することができるといえた.具体的には,遠心潤滑法を採用した場合では,ジェット潤滑法を採用した場合よりも歯車本体温度および負荷増加による温度上昇割合を抑制でき,最大すべり率約50%とした場合で最大約15℃の歯車本体温度の低減が,最大すべり率約30%とした場合で最大約10℃の歯車本体温度の低減ができた.ただし,耐スカッフィング能力や酸化膜生成の効果についての検証は未達成で,これらについては今後の課題とし,検証を継続する.
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