2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560160
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
安藤 泰久 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00344169)
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Keywords | 摩擦係数 / 原子間隔 / シリコン / 摩擦の異方性 / 多結晶金属 / 単結晶金属 / 凝着力 / 自然酸化膜 |
Research Abstract |
異種の金属を組み合わせて、マイクロニュートンオーダーの微小荷重下、高真空環境で摩擦させると、摩擦されるそれぞれの材料の格子定数の差が小さいほど摩擦係数が高く、逆に格子定数の差が大きいほど摩擦係数が低くなる傾向が確認された。この知見を利用し、実際の機械の乾燥摩擦を下げるために、より高い荷重下における摩擦特性を明らかにすることを目的として、摩擦試験装置の開発に取り組んだ。ニュートンオーダーの荷重を負荷し、同程度かそれ以下の摩擦力を測定できるように、歪みゲージによって荷重や摩擦力を検出する構造とした。摩擦駆動には、サンプルや力計測機構を組み込んだ真空チャンバーの外側に設置したリニアアクチュエータを用い、ベローズを介してアクチュエータの運動を真空中に伝える構造とした。その際、剛性を向上させ、真空に排気したときに大気圧によってアクチュエータに過度なスラスト荷重が作用しないように、リニアアクチュエータの反対側にもリニアガイドとベローズを設置した。真空排気には、ターボ分子ポンプとドライ真空ポンプを組合せることにより、ポンプ作動油による汚染を防いでいる。ところで、低摩擦を示す材料を摩擦面に用いるときに、表面に低摩擦材料の薄膜を形成する方法が一般的である。しかしながら、その場合、薄膜が摩耗してしまうために、長期間にわたって安定して低摩擦を得ることが難しい。そこで、周期的な傾斜構造の組合せによる表面構造を用いることで、摩擦中に表面に軟質金属薄膜を自己修復的に形成する方法について検討を行った。これらの結果により、超低摩擦を示す材料の組合せが明らかになったとき、それを実用的な摩擦面に応用することが容易になった。
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Research Products
(4 results)