2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560165
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
前川 博 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90145459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 大輔 富山大学, 理工学部, 講師 (70363033)
出川 智啓 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (80402551)
尾形 陽一 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10323792)
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Keywords | 乱流 / ダイナミクス / DNS / 超音速流 / 境界層 / 巨大化 / ヘアピン渦 / 混合層 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,乱流境界層における壁面近傍から境界層内に出現する巨視的ダイナミクスを研究した。また,自由せん断乱流として超音速乱流混合層(分担者:渡辺)について,その大規模構造と巨視的ダイナミクスの出現について解析をおこなった。さらに,希薄ガス流(分担者:尾形)について,中クヌッセン数(Kn~0(1))流れに対し、希薄効果に伴う壁面での「速度2階滑り境界条件」をナビエストークス方程式に組み込み、その有効性の検証を行ったが、マイクロボアズイユ流れ等で剛体球モデルのボルツマン方程式の解・実験値と良く一致する結果を得た。研究目的である複雑乱流場における巨視的ダイナミクスの出現について解析を行った。乱流境界層については,壁面条件が断熱境界条件と低温度境界条件であり,また入り口撹乱条件の複数の場合に,ヘアピン渦パケット構造,低速ストリーク形成・崩壊およびそれに伴う二次的・三次的ヘアピン構造の形成に重要な役割を果たす渦ダイナミクスがどのように出現するか解析した。壁面低速ストリークは常に上昇傾向をもち,谷に対応する低速ストリークのまわりにヘアピン渦およびそれに類する構造が多く見られ,それに伴い急激に渦構造が豊富かつ複雑に発達することによって低速ストリークであった低速塊が乱流境界層の外層付近で崩壊していることが明らかになった。崩壊に伴い,ストリーク間隔の数倍のスパンにわたる馬蹄渦形状が外層に形成され、境界層の一つの特徴が形成される。重要な一連の崩壊過程において、壁面近傍は次世代のヘアピン随伴渦の覆われ、これらは次世代の低速ストリークを形成することに重要な役割をはたしていることが明らかになった。なお、分担者出川はコンパクトスキームを用いる本計算法の高速化を主に研究した。
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