2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560168
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鬼頭 修己 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (10093022)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 達夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (50314076)
|
Keywords | 電気浸透流 / 界面電流 / 電気二重層 / 拡散二重層モデル / マイクロ流路 |
Research Abstract |
電気二重層厚さが極めて薄いと仮定することにより、流路高さが可変のドーナツ型流路を用いて電気浸透流中を流れる電流から界面電流を分離して定量的に測定する方法を開発した。この結果測定された蒸留水とガラスの界面の場合、界面電流密度はバルクの電流密度に比べ50倍程度大きいことを示した。電気二重層に対し平行平板コンデンサーモデルを用いて求められた界面電流と電気浸透速度の関係を実験により確かめ、この関係により電気二重層厚さ等を推定できることを示した。引き続いて、電気二重層を拡散二重層モデルにより分析した。初めに二重層モデルに基づき界面電流を定義し、その定式化を行った。拡散二重層では、電気二重層厚さが有限の厚さとなるため、ここで開発した界面電流測定法の仮定が保証されない。このため実験的に求められる界面電流と定義に基づく界面電流は厳密に一致しない。この二つの界面電流の関係を拡散二重層に基づいて厳密に求めた。この関係を用いることにより、実験的に求められた界面電流から定義に基づく界面電流を得ることができることを示した。つぎに求められた界面電流と電気浸透則の関係から、界面電流のジュール加熱により電気二重層における温度上昇を推定することができることを示した。電気二重層は通常100ナノメートル以下の厚さのため、そこの温度変化を求めることが困難であったが、ここでの方法により定量的に推定できることが示された。
|