2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560168
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鬼頭 修己 名古屋工業大学, 工学研究科, 特命教授 (10093022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 達夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (50314076)
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Keywords | マイクロ流路 / 電気浸透流 / 電気二重層 / ジュール加熱 |
Research Abstract |
1.これまで純水を用いた電気浸透流実験と同じドーナツ型マイクロ流路を用いて、希釈食塩水に対する電気浸透実験をおこない純水の場合と比較した。その結果、(1)直流電圧を印加した場合にバルクを流れる電流が、測定された電気伝導度から計算される結果と一致した。またこれはイオン移動度(Na,Cl)とイオンモル濃度から求められる理論値にも一致した。この結果は実験装置および測定系が正しく作動していることを示している。これより、純水においてバルク電流が電気伝導度から計算される値より3~5倍大きかった結果は、直流電場における水素イオンの特異な移動機構の存在によることを示している。(2)希釈食塩水における界面電流は測定条件下において、0.1μAオーダーで純水の場合に比べ一桁小さかった(拡散二重層モデル理論結果と同じ)ため電流測定分解能が十分でなく定量的結論を得ることができなかった。 2.前年度までに得られた純水に対する電気浸透流量対印加電圧データの再検討を行なった。特に電流によるジュール加熱の結果生ずる電気二重層内での温度上昇△Tを定量的再評価により精密化した。△Tは印加電圧にほぼ比例し、25[V]で5~6℃であった。一方、バルクでの温度上昇の推定値は1℃程度であった。すなわち、バルクより電気二重層内が温度が4~5℃高い。これは、純水では電気二重層内での電流密度がバルクのそれに比べ著しく大きいことによる。 3.純水の場合の界面電流の大きさは、電気伝導度のわずかな違い(1.5~4μS/cm)により5~50μA/mと大きく変化することがわかった。この理由として電気二重層での水分子クラスターの変化、スターン層の電気伝導の可能性等が考えられるが、現段階ではその機構は不明である。 W
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Research Products
(3 results)