2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560172
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鎌田 泰成 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60262987)
|
Keywords | 翼面境界層 / 低レイノルズ数 / 風車回転翼 / 速度分布 / 風洞実験 |
Research Abstract |
本研究では,翼面近傍の速度分布計測から,非定常,低レイノルズ数の翼面境界層を考察する.また,回転翼の中心付近は,2次元流れにおける失速角よりも大きな迎え角まで揚力を発生することが知られている.この理由は,翼面の境界層内の流れが遠心力の影響を受けるためであると推測されているが,速度分布計測から明らかにされた例はない.この理由を回転中の翼面の流れ状態の観察から明らかにし,流れ状態の把握から小型風車回転翼の新規の設計手法につなげることを目的としている 実験は三重大学ベンチャービジネスラボラトリの大型風洞設備を用いて行う.風洞に設置されている2次元レーザドップラ流速計(LDV)は,測定体積を通過する粒子速度を2成分について計測できる.このような,非接触流速計と精密な位置決めを可能にするステージの組み合わせにより,境界層内部に流れ状態を明らかにする.翼面境界層の測定では,レーザ変位計を使用し高精度で把握しておく.非回転状態の境界層測定は,三重大学エネルギー環境工学実験棟内の回流型風洞を用いて行った.回転翼の翼面境界層の測定では,直径2.4m試験風車,LDV,4軸ステージ,レーザ変位計の組み合わせ,翼面境界層の3次元成分を測定できるシステムを構築した.本計測システムにより回転翼境界層内のスパン方向成分を含む3成分の流れについて明らかにした.また,翼表面流れは,油膜による可視化を行い,境界層内の速度分布との整合性を検証した.静止状態の測定では,乱れ強度を変化させて翼面境界層を圧力分布より明らかにした.静止状態での流れ状態,および回転状態での流れを比較することにより,小型風車回転翼の作動について考察した.
|