2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560172
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鎌田 泰成 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60262987)
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Keywords | 翼面境界層 / 低レイノルズ数 / 風車回転翼 / 速度分布 / 風洞実験 |
Research Abstract |
本研究では,翼面近傍の速度分布計測から,非定常,低レイノルズ数の翼面境界層を考察する.低レイノルズ数における翼の性能は翼負圧面に形成される層流剥離泡に大きく依存する.このような翼面境界層について速度分布測定から明らかにする.実験は三重大学の大型風洞設備(口径3.6m)を用いて行う.供試風車は,翼面境界層および圧力分布測定が可能である.2次元レーザ流速計のプローブを2か所に配置して,流れ場の3成分の速度を取得した.なおプローブは21年度に導入した精密な位置決めを可能にするステージに設置され,翼面近傍の境界層内部に計測点を配置できる.また翼面形状はレーザ変位計を使用し高精度で把握した. これまでの計測に引き続き翼面境界層の速度分布データの蓄積を行った.本年度は,翼面境界層の測定をスパン方向の分布ついて詳細に検討した.測定半径位置はr/R=0.3,05,0.7,0.9とした.各翼スパン位置について翼素の作動状態を速度分布,圧力分布から検討した.翼スパン方向位置で測定速度から算出した翼面圧力分布と圧力測定翼により測定した翼面圧力分布は概ね一致し,LDVによる速度測定法の妥当性が示された.翼スパン方向での流れの特徴は.翼根付近(r/R=0.3)の場合,半径方向速度成分が幾何流入風速の25%程度であり,流れは強い三次元性を示す.よって翼面上速度は軸方向と周方向の速度成分のみから得られる二次元速度より大きく,翼面の負圧は二次元翼特性から求められる負圧より低くなると考えられる.またx/c=0.3上の境界層は平板上の層流境界層に近いことが確認された.溜=0.7における翼弦中央部(x/c=0.5)上の境界層は,乱流境界層の速度分布に類似している.このことから,翼面近傍の流れは,翼前縁付近から中央部(x/c=0.3~05)の間で乱流境界層へ遷移したと考えられる.
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Research Products
(1 results)