2011 Fiscal Year Annual Research Report
「数値航空機」「数値自動車」の実現-流体・運動力学統合シミュレーションの研究
Project/Area Number |
21560175
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松野 謙一 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (70252541)
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Keywords | 流体工学 / シミュレーション工学 / 航空宇宙工学 / 飛行力学 / 運動力学 |
Research Abstract |
本研究課題は、いわゆる「数値風洞」に代わる次世代シミュレーションとして「数値航空機」「数値自動車」等の概念を実現し、流体力学と運動力学との統合シミュレーションを実現し、それにより「数値実機試験」システムを構築するための基礎研究である。主な項目は、(1)「移動計算領域法」の確立とその検証、(2)数値流体力学と運動力学との連成統合シミュレーション手法の確立、(3)「数値航空機」及び「数値自動車」のプロトタイプモデルの作成と実証、(4)「数値実機試験」の試み、の4項目からなり、順次達成しながら進められた。平成23年度は本課題の最終年度にあたり、上記(1)~(4)各項目について当初の予定通りの成果を挙げるべく研究を実施した。項目(1)の「移動計算領域法」は、基本的性質、応用性とも確認、実証することができた。項目(2)に関し、流体力学-運動力学強連成シミュレーションは、膨大な計時間が必要となり、現有の計算機では実用時間内には終わらないことが判明し、結果として本課題では弱連成シミュレーションとして確立した。強連成計算は、実行可能なことは実証することができたが、より高速な計算機の使用とプログラムの並列化等を施すことにより現在の数十倍の効率化をしなければ実用的でないことが判明した。項目(3)については、「数値自動車」では、「プリウス」形状モデル、MotoGPマシン形状モデル、およびビッグスクーターモデルについて、「数値航空機」では、圧縮流では遷音速旅客機携帯モデル、非圧縮流では、グライダー形状モデルについて、それぞれ弱連成シミュレーションを確立した。項目(4)「数値実機試験」の試みは、コンピュータの演算能力と計算コード並列化ができなかった為、弱連成ではあるが、完全形態の航空機や自動車について数値流体力学-運動力学統合シムレーションを試み、基礎的な成果を挙げることができた。
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