2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフイジックススケール対応ボルツマン/ナビエ・ストークス統合解法の研究
Project/Area Number |
21560176
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森西 晃嗣 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (20174443)
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Keywords | 流体工学 / シミュレーション工学 / マルチスケール / マルチフィジックス |
Research Abstract |
平成21年度の主な研究課題は、これまでに開発してきたマルチスケール統合解法で用いているナビエ・ストークス(連続体モデル)解法とボルツマン(分子論モデル)解法にマルチフィジックスの効果を組み込むための手法の開発である。最初に前者のナビエ・ストークス解法に相変化を伴う液体と気体および不活性流体を含んだ3流体の界面や流体と連成する固体との界面を取り込む方法として、従来から研究してきた仮想流束法を応用することを試みた。その結果、仮想流束法を用いることにより、基本的にデカルト格子上で任意形状の界面を取り込むことが出来、流体と連成して非定常に移動・変形する固体との界面も容易に取り込める事が確認できた。この成果をもとに、コネクションロッドでクランクと連結したピストン、および、クランク角と連動する吸気弁・排気弁を有する4サイクルエンジンのシミュレーションを行ったところ、現時点では燃焼を発熱モデルで代用しているが、自律的に吸気、圧縮、膨張(燃焼)、および、排気の4過程を行う4サイクルエンジンを再現することが出来た。この成果は既に国際会議での発表の採択を得ているが、査読雑誌に投稿しても充分採択される内容であり、近く投稿する予定である。また、後者のボルツマン解法にマルチフィジックスを取り込む研究では、比較的取り扱いが容易な格子ボルツマン法に仮想流東法を適用し、弁を伴う血管内の血液流れや移動物体周りの流れのシミュレーションを試みた。この成果も既に国際会議での発表の採択を得ているが、信頼性や拡張性について更なる研究を行う予定である。
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