2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフイジックススケール対応ボルツマン/ナビエ・ストークス統合解法の研究
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21560176
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森西 晃嗣 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20174443)
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Keywords | 流体工学 / シミュレーション工学 / マルチスケール / マルチフィジックス |
Research Abstract |
平成22年度も前年度に継続して、これまでに開発してきたマルチスケール統合解法で用いているナビエ・ストークス(連続体モデル)解法とボルツマン(分子論モデル)解法にマルチフィジックスの効果を組み込むための手法の研究開発を行った。ナビエ・ストークス解法に関しては、仮想流束法を応用する試みを継続して研究すると共に、新たに粘弾性流体の取り扱いを可能とするために、オイラーのひずみテンソルの時間発展方程式とレベル・セット関数を導入した解法の研究を行った。その結果、デカルト格子上で大変形する粘弾性体と流体との連成解析が可能となった。この成果は第6回計算流体力学国際会議(2010年7月ロシア)で発表を行ったが、今後も継続的にこの解法を発展させる予定である。また、ボルツマン解法にマルチフィジックスを取り込む研究では、比較的取り扱いが容易な格子ボルツマン法に仮想流束法を適用する研究を継続して行うと共に、密度比の大きな2相流への拡張や弁を伴う血管内の血液流れや移動物体周りの流れのシミュレーションを継続して行った。また、高レイノルズ数でも比較的安定な解法や必要な記憶容量を大幅に削減した解法、および、GPUを用いた解法の高速化に関する研究を行った。その結果、単純な2次元正方空洞問題では従来の解法と比較して高レイノルズ数でも格段に安定で必要な記憶容量も大幅に削減された解法が構築できた。これらの成果は学会で一部発表済みであるが、今後はさまざまな流れ場に対してこの解法の有効性を実証する予定である。
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