2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560182
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
菊地 正憲 宮崎大学, 工学部, 教授 (80091677)
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Keywords | 圧縮・非圧縮性流れ / 翼 / 地面効果 / 交通システム |
Research Abstract |
地面に近接して走行する翼は,地面との間で流体の粘性を介して強く干渉する.空気力特性を正しく計測することは,風洞壁に対して翼が相対的に静止する配置となる従来型の風洞では不可能である.このため,翼を地面に対して相対的に移動する曳航方式が採用される.曳航風洞は,翼の加速領域および減速領域,一定速度の走行領域を必要とするので,長い走行路を必要とする.装置をコンパクトにするためにムービングベルト方式が採用される.ムービングベルトの製作は,ベルトの振動対策や,ムービングベルトとその前方の固体壁間との速度の不連続を解消するため製作費が高くなる.そこで,本研究では,研究室レベルで曳航方式による実験を可能にするため,翼地面に対して走行する回転円盤装置を開発した. これまでの研究では地面円盤の直径は回転翼の翼幅と同じにしたが,これでは地面による翼端渦による吹き下げ速度の抑制効果を正しく表現できないと考え,円盤の外周方向の長さを翼幅の倍にした.以下の結果が得られた. (1)地面拡大による影響が小さく地面の幅を拡大させる必要が無いことが分かった. (2)フラップが下がるとC_L,C_Dが上昇し,上がるとC_L,C_Dが減少した.また全てのフラップ翼において,地面近傍になるにつれC_Lが上昇し,C_Dはほとんど同じ値を示した. (3)フラップ角の増加とC_L増加には線型性が見られたが,地面近傍では急激にC_Lが増加し線型性が見られなかった. (4)地面近傍において揚抗比はフラップ角増加に従い減少する傾向が見られた. 以上より,翼の揚抗比に影響を与えるのは,翼端渦の吹き下げ速度の抑制効果よりも翼の鏡像渦による循環増加によるものであると言える.
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