2011 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた磁気機能性流体の磁気応答特性に関する研究
Project/Area Number |
21560186
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
澤田 達男 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00162545)
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Keywords | MR流体 / 磁性流体 / 超音波 / 音速 / クラスタ / ダクト内流れ |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,磁性流体やMR流体の磁気応答性が印加磁場によってどのように変化するかに着目し,研究を実施した。 印加磁場強度の時間的変化(スイープレート)がMR流体中を伝播する超音波におよぼす影響を昨年度より調べてきた結果,どのスイープレートにおいても,磁場印加時間に応じて音速が一旦下がって極小値を取ることがわかった。そして,その極小値を取るまでの経過時間に関する特性時間の存在を明らかにした。しかし,その実験結果において再現性に多少問題が生じていることがわかった。また,内部の強磁性体微粒子の沈殿の影響も無視できないことが判明した。そこで,実験装置の改良を行うと共に実験手順の見直しを行った。その結果,良好な実験データを取得できるようになった。スイープレートの増加に応じて音速の増加速度は速くなっており,その最高到達音速もスイープレートの増加と共に増加していくことが明らかになった。超音波の減衰特性については,まだ実験結果にバラツキがあり,系統的に検討を行うまでは至らなかった。 次に,矩形断面を持つ二次元流路内の磁性流体流れに関する実験を行った.昨年度,信頼できるデータが得られなかった原因の検討を行った。その結果,作動流体の温度変化による影響が顕著であることがわかった。そこで,従来の温度管理システムに改良を加え,循環路中の作動流体の温度がほぼ一定に保つことが可能となった。実験を実施した結果,磁場印加時間に応じて電磁弁開放直後の圧力損失が大きくなり,その結果管摩擦係数の増加が明らかとなった。これは,磁場印加時間に応じて鎖状クラスタが成長した結果と見なせる。
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Research Products
(18 results)