2011 Fiscal Year Annual Research Report
シンセティックジェットを利用した高揚力装置開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
21560187
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 光太郎 工学院大学, グローバルエンジニアリング学部, 教授 (80252625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 和彦 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70260635)
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Keywords | 流体機械 / 数値流体力学 / ジェット / コアンダ効果 / 非定常流れ |
Research Abstract |
本研究は壁面近傍での二次元シンセティックジェットの発生条件を調べ,噴流に作用するコアンダ効果に着目して噴流構造,流動特性を解明することが主たる目的である.平成23年度は昨年度,一昨年度に引き続き二次元シンセティックジェットの流動特性について実験並びに数値解析の両面から解明を試みた.主な結果として,シンセティックジェットのスロット近傍に剛体壁が存在する場合にも平均流が形成され,条件に依ってはコアンダ効果が確認されること,無限遠でのシンセティックジェットはKの広い領域で渦対が直線的に並進運動する対称な流れになるのに対して,剛体壁近傍でのシンセティックジェットは流れ場が非対称となることから,渦対の対称性が崩れ噴流は蛇行すること,剛体壁近傍でのシンセティックジェットの挙動は相対壁面距離H/b0だけでなく無次元パラメータKにも依存し,壁面圧力分布と時間平均速度ベクトル図から同一相対壁面距離であってもKの増加とともに再付着点距離が大きくなること,H/b0が小さく,Kが大きい場合には明白なコアンダ効果は確認できないこと,スロット中心を始点とする流線の時間変化から剛体壁近傍の連続噴流は安定しているのに対して,剛体壁近傍のシンセティックジェットは時間変化が大きいことなどが明らかとなった.以上の成果はシンセティックジェットと境界面との干渉に関連する流動特性を明らかにするものであり,ここで得られた知見は境界層制御,揚力制御,不安定流れ抑制などへの噴流の応用範囲を飛躍的に広げるものと予想される.将来的に例えば全翼機開発など任意形状物体での揚力発生に関する研究が盛んになり,本研究で得られた成果が役立てられるものと思われる.
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Research Products
(13 results)